看護師の仕事とは
看護職とは保健師・助産師・看護師の仕事のことをさします。近年看護師の不足により、高い質の看護師が数多く求められており、また高齢社会を背景に看護師はさらに多く求められる傾向にあります。その社会的ニーズにより、看護師を希望する受験生も増えています。2000年から介護保険制度が始まり、在宅ケア推進策が国策となる中、訪問看護のニーズがますます高まるのは必至です。
就職と勤務状況
現在全国で約65万人が看護師、約41万人が准看護師として働いています。そのうち約4万人は男性です。看護師の就職は上記の通り、看護師が望まれている状況ですから売り手市場と言えます。看護系の大学短大専門学校を卒業し国家試験に通るとほとんどの場合は就職が可能だと言えます。また、以前は看護師というと「きつい割に給料は安い」というイメージでしたが、今はかなり改善されて好待遇となっています。
病院の一般的な勤務形態は交代制で、三交代制の場合、勤務時間は日勤が午前8時〜午後4時、準夜勤が午後4時〜午前0時、深夜勤が午前0時〜午前8時というのが多いです。二交代制は続けて十数時間勤務しますが、最近では二交代が増えてきています。
准看護師と正看護師の違い
准看護師の勤務場所は精神障害者(児)のための病院や心身障害者施設が多かったのですが、今は看護師不足や医療内容の多様化に伴って一般病院の内科や外科、集中治療室、救命救急センター、リハビリセンター、老人保健施設、社会福祉施設など多様です。
レギュラー課程とは
これから看護士になる場合の一般的なコースです。4教科4科目型、英語・数学・国語・理科(生物、化学、物理から選択)の受験となります。各校の出題分野(範囲)はさまざまです。
進学課程とは
すでに准看護師の資格を持っている人が正看護師になるための制度です。ほとんどの学校の競争率は2から3倍ですが、6 〜7 倍の学校もあります。筆記試験は英語国語と看護問題を加えている学校が多いです。看護問題は准看護師資格試験のレベルの問題で、臨床科目は勤務中に修得した内容が多いです。
看護学校のカリキュラム
3年間で最低93単位(約2,900時間)を履修します。一般教養を養う「基礎分野」、医学系の基礎となる「専門基礎分野」、「専門分野」、「臨地実習」などがあります。
看護師養成所を卒業すると
看護師養成所を卒業すると看護師国家試験の受験資格を取得できます。同時に保健師・助産師学校への入学資格や養護教諭・保健師・助産師・事業所の衛生管理者・中学や高校の保健科目の教員の「受験資格」も取得できます。半年から1年間の修業をしてから保健師・助産師の国家試験の受験資格を取得し、そちらの道に行かれても良いわけです。
●看護師国家試験
国家試験は年1回(試験は2月下旬、合格発表は3月下旬)の実施です。無事卒業すると看護師のほかに下記のような仕事への可能性があります。
◆保健師
保健所や市町村役場で地域住民の健康管理や保健指導を行う事が主な仕事です。主に保健所や市町村役場が職場です。保健師養成施設は全国に150校ほどあります。養成期間を卒業した後、国家試験に合格しなければなりません。看護師学校卒業者か看護師免許取得者は保健師養成機関の入学資格が与えられます。4年制大学の看護系学科では、卒業と同時に看護師だけでなく保健師の国家試験受験資格が得られるところがほとんどです。
◆助産師
分娩時の介助、妊婦への保健指導などが主な仕事です。病院の産科病棟、産婦人科の診療所、市町村の母子保健センターなどが主な職場です。助産師養成施設は全国に128校あります。助産師養成所・学校を終了した後、助産師国家試験に合格しなければなりません。助産師養成所・学校は、看護学校卒業が入学資格です。4年制大学では助産に関する科目を履修すると卒業と同時に助産師国家試験受験資格が得られるところもあります。
◆養護教諭
保健室の先生として馴染み深い仕事です。そのほかにも救急処置、保健指導、健康相談、学校保健計画の作成、保健室の管理・運営、学校内だけでなく地域全体を含めた環境衛生の改善などの仕事があります。
免許の取得方法は、看護師免許取得後→保健師学校か養護教諭養成所で1年間の通学→小学校・中学校・高等学校の養護教諭1級の免許取得となります。(看護師の資格がない場合は、養護教諭2級の免許になります。)保健師学校でも養護教諭の資格を取得する事ができます。
◆看護教員
看護学校の教員のことです。臨床経験5年以上が条件で、厚生労働省が認定する、中央(東京近辺)での1年間の教育コース又は全国の地方で開催される6ヶ月コースのいずれかを受講・修了しなくてはなりません。
◆専門看護師
専門看護師とは状況が複雑で対処が困難な人たちに対して、専門分野の知識や技術を持った看護師のことです。日本看護協会専門看護師認定試験に合格しなくてはなりません。受験資格は「看護系大学大学院修士課程修了者で、特定の専門分野の所定の単位を取得した者」です。
◆認定看護師
特定の看護分野において熟練した看護技術と知識があることを認められた看護師のことです。日本看護協会に認定を申請して認めれられる必要があります。認定を申請する資格は「保健師・助産師・看護師のいずれかの免許を有すること、認定看護師として必要な実務経験があること(保健師、助産師、看護師の資格取得後、実務経験が通算5年以上であり、そのうち通算3年以上は特定の看護分野の経験を有すること)」などが条件です。
◆介護支援専門員(ケアマネージャー)
ケアマネージャーとは高齢者の心身状態の状況に合わせて、必要な在宅サービスや施設でのサービスを利用できるように市町村やサービス事業者との調整をとる人のことです。実務研修受講試験に合格した後、ケアマネージャー研修を受ける必要があります。受験資格は、医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士などの職種で一定の経験がある人となります。
◆産業看護師
企業で社員を対象に予防医学の観点から指導と教育を行なう看護師です。病院で働くというよりは会社内の保健室の先生という感じが近いでしょうか。ほぼ大企業のみが対象です。
◆看護教員
看護師の資格取得後、5年間の臨床看護の経験を経て、看護教員としての研修と講習を受けると看護教員となれます。研修には6カ月コースと1年間コースがあり、厚生労働省・文部科学省・日本看護協会主催のものがあります。
大学への編入学
看護師養成所の短大を卒業、もしくは看護専門学校を卒業すると4年制看護系大学への編入学が可能となります。
修士・博士への進学
大学を卒業したものと同等以上の学力があり、22歳以上の方には入学資格があります。試験や受験資格などは個々の大学院において異なりますが国家資格保持者で22歳以上で実務経験3年以上などの条件を満たしていると入学資格が与えられる場合がほとんどです。
その他の職業としては下記のようなものがあります。
・開発途上国への看護の技術援助
・海外ボランティア
・在宅看護
看護師になるには
看護師になるには大学・短大・看護専門学校を卒業(卒業見込み)し、国家試験受験資格を取得し、合格する必要があります。他にも准看護師から2年課程(進学課程)の学校で勉強し国家試験を受験する方法や、高等学校看護師養成課程(5年一貫教育)で勉強し国家試験を受験する方法もあります。
それぞれの学校の特色
●大学
4年制で、学士の学歴を得ることができます。看護師の国家試験受験資格のほかに、保健師と助産師の国家試験受験資格、養護教諭免許や中学校・高等学校の保健の教諭免許が得られる大学もあります。
●短期大学
3年制で準学士の学歴を得ることができます。2年制の短大は准看護師の免許を持つ高卒者が正看護師になるための短大です。2つのコースがある短大や専門学校では3年制を第1看護学科・2年制の進学課程を第2看護学科と呼んでいます。
また保健師や助産師の専攻課程も併設している短大では、それぞれの受験資格取得もできます。
●看護専門学校
看護師養成施設の約8割を占めるのが専門学校です。ほとんどが3年制です。全授業の3分の1が実習で、2・3年生では病院や保健所などで実習。即戦力となる看護師の養成を基本としています。
4年制の看護師と保健師養成課程を併せた「統合カリキュラム」をとっている学校もあり、こうした学校では「看護師」「保健師」の2つの国家試験受験資格を取得できます。
大学と専門学校などによる学歴の差
職場次第です。看護師長などの管理職には大学卒でないとなれないこともあり、普通は看護学校卒と大学卒は給与が異なります。
大学では看護師の資格と保健士の受験資格が一緒に取れますが、看護師の資格を持つ人が保健士や助産婦になる場合には、保健士や助産婦の学校に入学して国家試験の受験資格を得ないとなりません。
同じ事を准看コースから始めると、准看護学校の入試、進学課程の入試、保健士学校の入試の3度の入学試験を受け、准看護師知事試験、看護師国家試験、保健士国家試験と3度資格試験を受験しなくてはなりません。
奨学金・修学資金の貸与制度
奨学金は下記の3つの制度が利用されることが多いです。必ずしも希望者全員が受けられるわけではなく、希望者の中から選考の上貸与されます。
(1) 日本育英会
(2)県の保健士等修学資金
月額3万円程度 受けられる人数は数名
(3)病院附属の修学資金
月額3万円程度 希望すればほぼ受給できます
<詳細>
(1)日本育英会の奨学金
国が運営しています。各学校を通して申し込み、各学校で選考され、日本育英会の審査を通して奨学金の貸与が受けられます。後に(働き始めてからが多いです)返済する必要があります。社会人入学の場合でも日本育英会の出願資格を満たしていれば申し込めます。出願資格等や貸与金額については日本育英会のHPをご覧ください。
(2)地方自治体の奨学金
各看護学校を通して申し込みます。一定期間看護士として勤務すれば返済が免除される場合もあります。自治体によって異なりますがおよそ3万円程度だと思って下さい。学校を卒業後に1年以内に看護職員の資格を取得し、直ちに医療機関等に看護職員として勤務し、その引き続き勤務した期間が、貸与を受けた期間以上である場合、返還債の全部または一部が免除されるという場合があります。
(3)看護学校の奨学金
私立の看護学校には学校独自の奨学金制度もあります。病院と提携した奨学金は卒業後に一定期間(2〜3年間)その病院で働くことを前提に貸与されます。働かない場合や進学の場合はすぐに返済してくださいと言われることもあるので契約書をしっかり確認して下さい。
奨学金の額は各学校によって違います。
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